旭化成ホームズでは、共働き家族の暮らしに着目し、1989年に共働き家族研究所を設立し、96年までに15の研究レポートを発行しました。今、時代の変化と共にパート・アルバイト中心の共働きからフルタイム雇用を中心とする子育てをしながらの共働き家族が一般的となりつつあります。今回、新たな調査を進める中で、四半世紀に渡る過去の研究結果と現在の比較分析をおこなった一部をレポートします。また、後半では、『イクメン』という言葉の生みの親であり、ワークライフバランスの論者として著名な渥美由喜氏にご講演をいただきました。
まず社会背景から夫の家事や育児参加について考えると、かつては実態が伴わない法制度が、2005年の史上最低の出生率1.25を契機に、関係法令が強化され、本格的に動き出しました。そして育児介護休業法も整備され、男性の育児休業取得が法制化、今まさにその広がりの渦中にあるといえます。
女性の就業について見てみると、かつては専業主婦が当たり前で、仕事をするにしても子育てが一段落してでしたが、現在は共働きが一般的で、特に、出産後も働き続ける子育て・共働き家族が増えています。
現在、弊社の新築購入層の約4割は夫婦ともにフルタイムワーカーで、共働きである理由を尋ねると、1989年には「自由時間を有効に使いたい」という回答が多かったものの、2012年は「生活を維持するため」「住宅ローンなどの返済のため」という回答が増えています。「生活のゆとりや社会との関わりを持ちたい」という理由に加えて「経済的安定」を夫婦でめざす時代へ変化してきていることがわかります。