基本的な考え方
私たちは、住まいの長寿命化や既存建物の利活用や事業活動で発生する産業廃棄物のゼロエミッション化に向けた3R活動を行っています。また、限りある資源の有効活用や再生利用の推進、汚水の浄化処理などに取り組み、持続可能な資源利用を行うことで循環型社会の構築を目指します。
新築産廃ゼロエミッション
旭化成ホームズでは、施工現場で発生する産業廃棄物を大切な『資源』ととらえ、自社の資源循環センターにて分別し、単純焼却や埋立て処分をすることなく100%再資源化する「新築産廃ゼロエミッション」を達成しています。
施工現場で25種類の品目に分別された『資源』は、さらに資源循環センターにおいて60種類以上に細分別され、品目によっては加工を行うことで、再資源化率100%を実現しています。細分別された品目のなかでも特に廃プラスチック類は、固形燃料「RPF」の原料として有効活用しています。資源循環センターで製造したRPFは、製紙メーカーなどで石炭や化石燃料の代替燃料として利用されています。また、マテリアルリサイクル材のうち金属スクラップや樹脂類は、有価物として売却することで、再生資源利用の促進に寄与しています。
すべての『資源』はバーコード付きのタグで管理し、重量を計測することで、トレーサビリティを確保するとともに、排出場所・品目・工程・重量の情報をデータ化し、リデュース(排出抑制)を目的とした活動にも利活用しています。
自社の資源循環センターによる処理の対象は、新築工事のみではなく、旭化成リフォームが施工する防水工事・外壁塗装工事や、旭化成不動産レジデンスが管理する賃貸物件「ヘーベルメゾン」の入退室工事から発生する『資源』にも拡大しています。旭化成ホームズグループは今後も一丸となって、HEBEL HAUSに由来する『資源』のリサイクルを推進していきます。

新築産廃再資源化率(2024年度)

資源循環技術・システム表彰※において「LONGLIFEを実現する住宅事業」が
経済産業大臣賞を受賞
旭化成ホームズグループは、創業当初よりストック型住宅を重視し、製品設計からリマーケティングに至るまでのライフサイクルを通して、持続的な資源の循環利用を可能とするハード・ソフト・サービスの多岐にわたるシステムを、グループ全体で長年かけて構築してきました。そのシステムが高く評価され、2024年10月16日に、一般社団法人産業環境管理協会主催の「令和6年度 資源循環技術・システム表彰」において、最高位となる経済産業大臣賞を受賞しました。
このシステムは仕様開発、邸別設計・施工、60年無料点検に代表されるアフターサービス、ストックの高付加価値化、改修や相続時のコンサルティング等で構成されています。このシステムをお客様およびパートナー企業様と共に、全体として機能させることで、世代を超えた循環利用を可能としています。
この度の受賞では、「3R 中心の取組を超え、メンテナンスによる長寿命化の実現や住宅ストックの高付加価値化といったサーキュラーエコノミー・カーボンニュートラルの実現に大きく寄与するものであり、今後の我が国の資源循環の更なる発展に貢献する優れた取組である」として受賞に至りました。
※資源・エネルギー使用の削減、廃棄物の発生・排出の抑制(リデュース)、物品の再使用(リユース)、再生資源の有効利用(リサイクル)等、循環経済への移行に寄与する、先進的で高度な技術・製品開発、並びに社会システム・ビジネスモデルの構築等の事業や取り組みを表彰する制度



建築部材の化学物質管理・低減
旭化成ホームズでは、住宅建築のバリューチェーン全体において適切な化学物質管理と汚染防止に努めるために、独自のガイドラインによる化学物質管理を行っています。室内空気質管理に関する運用方法を「化学物質細則Ⅰ」、労務安全にかかわるリスクアセスメントを「化学物質細則Ⅱ」として、その内容および運用管理体系を更新し、住宅建築の各段階で 化学物質を適正に管理しています。
室内空気質管理では、重点とする化学物質ごとに管理目標値と評価する具体的方法を定め、資材メーカーを含め組織的に建築部材の化学物質リスクを管理できる体制としています。空気質の観点から現行仕様の住宅の常時換気設備は、第1種換気(給気、排気とも機械換気の方式)を標準にしました。さらに、化学物質の放散量が少ない部材とホルムアルデヒド低減建材を利用する「エアクオリティ仕様」を採用した住宅では、性能表示制度の設計・建設評価で定められる5つの化学物質(特定測定物質)の実測値が厚生労働省指針値の1/2以下となります※。またリスクアセスメントでは、扱う部材の危険有害性を作業者に周知し、健康被害を防止することを目的としています。今後も、住宅に残る化学物質を最小限にした健やかなくらしをお客様に提供するために、建築部材の化学物質管理・削減を継続します。
※エアクオリティ内装仕様を採用した全ての住宅が、厚生労働省指針値の1/2以下となることを保証するものではありません
旭化成住工滋賀工場排水の水質管理
旭化成住工滋賀工場では、生産活動で発生した排水を場内の処理設備にて浄化し近隣の河川に放流しています。2024年度は、月平均3,700m³の処理後排水を浄化し放流しました。工場のある滋賀県には琵琶湖があり、水質基準値は他の地域よりも厳しく設定されていますが、旭化成住工ではさらに高い自社基準を設け、より徹底した水質管理を行っています。日常管理ではパックテストを日々行い、毎月一度は専門業者第三者による水質測定を依頼し、水質管理を行っています。
また、浄化した水で金魚を飼育し、健康状態を確認することで、排水の安全性を確認しています。このようにさまざまなチェックを行った上で浄化された排水を、最終的に河川に放流しています。さらに、緊急事態や災害に備え、工場敷地外に浄化処理前の排水流出防止を目的とした緊急時対応訓練を年に一度実施しています。旭化成住工では、今後も環境負荷低減に貢献する活動を継続していきます。


