検索する
With Environment

生物多様性の保全

基本的な考え方

私たちは、「あさひ・いのちの森」や「湯屋のヘーベルビオトープ」などの自然環境施設を創設し、地域社会の皆様と共に生物多様性の保全に関するさまざまな調査・研究を行っています。それらの活動を通じて得た知見を「まちもり®」を通じて、事業活動に活かすことで、ステークホルダーの皆様と共に自然と調和する社会の実現を目指します。

あさひ・いのちの森の自然共生活動

「あさひ・いのちの森」は富士支社内の工場跡地に造られた約1haの人工の森です。この森は、富士市沿岸部の原風景の再生を目指した環境再生ゾーンです。入念な事前調査を経て、旧工場跡の完全な更地に、従業員・地域有志1,900人余による植樹をもって、2007年に活動を開始しました。現在では、地域住民や子どもたちに対し、森を活用した取り組みや、地域への環境貢献を目的とした産学共同研究を行っています。

2023年10月には、国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された「2030年までに地球上の陸域、海洋・沿岸域、内陸水域の30%を保護する」という国際的な生物多様性保全目標30by30※1の取り組みにおいて、環境省が初めて認定した自然共生サイトに「あさひ・いのちの森」が認定され、2024年8月にはOECM※2として国際データベースにも登録されました。

また、こうした継続的な調査・研究の成果や、全社横断的な組織的管理体制の継続など、活動全体が評価され、都市緑化機構の認定制度「SEGES(シージェス)(そだてる緑部門)」では、「Superlative Stage」認定を2025年3月に取得しました。

※1 2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする国際的な目標 ※2 OECM(Other Effective area based Conservation Measures)保護地域以外で生物多様性保全に資する地域

*
*
*

旭化成グループ 生物多様性保全の取り組み「あさひ・いのちの森」 ―旭化成

旭化成グループ 生物多様性保全の取り組み「あさひ・いのちの森」 360度動画で森を散策! ―旭化成

ニュースリリース(2025.4.24)

「まちもり®」の推進

「まちもり」は、「あさひ・いのちの森」で得た植生の知見を活用した住宅における外構の植栽手法です。地域の植生を考慮しながら、高木・中木・低木・地被植物といった異なる高さの植栽を組み合わせることで、自然と調和した豊かな街並みを形成するとともに、鳥や昆虫など多様な生物が集まる環境を目指しています。都市部の小さなスペースでも「まちもり」を取り入れることで、街路樹や公園、学校といった地域の緑とつながりや、生き物が行き来する「エコロジカルネットワーク」の形成に貢献します。

旭化成ホームズグループは、「まちもり」を戸建住宅や共同住宅などのさまざまな事業活動に取り入れて、2024年度のまちもり採用率(引渡ベース)は、49.0%と前年度に比べ18.5%増加しました。

さらに、戸建てや共同住宅だけでなく、旭化成不動産レジデンスが提供するマンション、アトラスシリーズの植栽計画にも「まちもり」を採用しています。大規模な開発を伴うマンション建設での外構計画に「まちもり」を取り入れることで、都市の生物多様性保全の活動に貢献していきます。

*

みどり豊かなくらしは生き物にもやさしい | LONGLIFE Sustainable Story | ALL for LONGLIFE | 旭化成ホームズ

旭化成住工 湯屋のヘーベルビオトープ

「湯屋のヘーベルビオトープ」は旭化成住工滋賀工場内にある約800㎡の人工の溜池緑地です。ここでは、生息環境の悪化により絶滅の恐れがある滋賀県レッドデータ・要注目種、ヨツボシトンボなどの保全活動を行っています。2017年の創出後、溜池の植栽の見直しや、コンテナビオトープ(いけす)による水域の拡大などの活動に取り組んだ結果、約5年間でヨツボシトンボの定着を確認しました。また、ミズカマキリやツチガエルなど、近年生息数が減少している生きものの生息環境を維持するため、定期的な草刈りや池干しによる溜池のメンテナンスを実施することで、維持管理を行っています。

*
湯屋のヘーベルビオトープ(旭化成住工)

アトラスタワー五反田 ABINC認証の取得

旭化成ホームズはアトラスタワー五反田にて、都心の限られた敷地条件の中で生物多様性に配慮した外構を計画し、ABINC認証を取得しました。認証取得にあたっては、緑化計画に加え、指標生物のモニタリング計画を組み込みました。指標生物のモニタリングは、旭化成ホームズグループの社内ベンチャー企業・コネプラが開発した入居者アプリで指標生物を撮影し、その写真をアプリ内で投稿いただくことで実施しています。また、アプリ内に投稿いただくきっかけづくりとして、コネプラ主催で指標生物を観察する入居者イベントを実施し、住民間のコミュニケーション形成にも寄与できました。

※ABINC認証とは、自然と共生した持続可能な未来をつくるために、「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」に基づき、オフィスビルや集合住宅などの土地利用における生物多様性保全の取り組みを認証する「いきもの共生事業所®認証」のこと

*
アトラスタワー五反田
*
ABINC認証
*
入居者イベントの様子

在来樹種の都市緑化でネイチャー・ポジティブの実効性とシナジーを実証

国際目標である2030年のネイチャー・ポジティブ実現に向けて、旭化成ホームズ、積水ハウス、大和ハウス工業の3社協働で、生物多様性保全の効果を評価しました。

今回の協働評価・分析により、3社それぞれの在来樹種に着目した特有の取り組みが生態学的に補完し合うことで、ネイチャー・ポジティブの実現につながることが明らかになりました。

また、3社は、私たちが普段生活している「都市」の生物多様性が、住まい手のウェルビーイングの観点から重要と捉え、それぞれのコンセプトに着目した独自の街づくり・庭づくりを提案しています。大手ハウスメーカーに求められていることは、単に家を建てることだけではありません。都市部に多くの住宅・建築物を供給している住宅メーカーとして、生物多様性をはじめとした環境保全への取り組みも不可欠です。

今後も、ネイチャー・ポジティブの実効性を高めるため、引き続き取り組みを推進するとともに、住宅・不動産業界でもより多くの企業や団体に在来樹種を中心とした取り組みに賛同いただけるよう、活動拡大のための働きかけを進めていきます。

※ ネイチャー・ポジティブ:生物多様性の損失を止め、反転させ、回復軌道に乗せること

ニュースリリース(2024.9.4)

みどり豊かなくらしは生き物にもやさしい | LONGLIFE Sustainable Story | ALL for LONGLIFE | 旭化成ホームズ

ページトップへ移動する