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ニュースリリース

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2016.10.24

旭化成ホームズ株式会社

新開発の中高層用ビルディングシステム
「ヘーベルビルズシステム」を先行販売
~鉄骨ラーメン構造の工業化技術を中高層建築へ展開~

旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都 新宿区、代表取締役社長:池田 英輔)は、上層階における店舗・事務所など多様なニーズにも対応可能な中高層用ビルディングシステム「ヘーベルビルズシステム」を新たに開発し、11月より一部エリア(東京および周辺部)で先行販売を開始いたします。

「ヘーベルビルズシステム」は、上層階での店舗や事務所などの商業用途が想定される4~6階建てをメインターゲットとして開発した、工業化手法により高品質・高精度の建築を可能とする中高層用ビルディングシステムです。今回開発された技術の特徴は、当社がこれまで販売してきた「ヘーベルハウス フレックス」を支える「システムラーメン構造」の基幹技術や生産・施工方法を継承しながらも、各階の階高を2.8~3.5mの範囲で設定可能として商業用途にも対応するなど進化させ、品質と精度を確保しながら飛躍的に自由度を高めて8階建てまでの建築を可能としたことです。

また、ヘーベルハウス同様に、外壁のALCコンクリート「ヘーベル」の取り付けには、地震時の変形に対する追従性の高い独自のロッキング工法を用い、振動抑制装置や制震装置も用意しました。更に、基礎工事も工業化するなど現場工程を極力単純化し、工業化が進んでいない中高層建築市場において高品質で高効率な施工を実現します。これらにより、ヘーベルハウス同様に自社施工を前提とした“工業化住宅”ならぬ“工業化ビルディング”を目指して開発した中高層用のビルディングシステムです。

「ヘーベルビルズシステム」および当社の従来システムそれぞれの特徴を活かして中高層受注を強化し、2020年度には4階建て以上の受注全体で500億円を目指します。


ヘーベルビルズシステムによる建物イメージパース

Ⅰ.背景

利便性が高く利用価値の高い都市部商業系地域では、敷地の高度活用ニーズから概ね4階建て以上の中小規模の中高層建築が多く存在します。この規模の建築は、大手ゼネコンが携わるには規模が小さく、一般の工務店などによる在来工法のRC造か鉄骨造が大部分を占めています。しかし、在来工法のRC造や鉄骨造の建築は、東京オリンピックに向けた建築工事の増加や職人の高齢化などに伴い、労務単価の上昇や熟練技能者の不足が懸念されており、今後この分野での工業化の役割はますます大きくなっていくと思われます。

当社は、1985年に3階建て住宅で初の建設大臣認定を取得し、1986年に「ヘーベルハウス フレックス」として発売しました。フレックスの躯体は、5階建て以下の住宅用途(自宅、賃貸住宅)および1階に店舗などを併設する住宅を想定し、特に3階建て・4階建て市場ではこれまでトップレベルの供給実績を残してきました。このフレックスで開発された「システムラーメン構造」の技術は、それまでは在来工法に頼らざるを得なかった鉄骨(ラーメン)造の建築物を工業化し、短工期・低価格・安定品質を実現するものでした。

今回の新躯体開発にあたっては、長年にわたり実績を積んできたシステムラーメン構造の基幹技術(構法・施工方法など)を中高層建築用に進化させることで、施工の大部分をゼネコンなど外部の建設業者に頼らず自社グループ(旭化成住宅建設株式会社)で施工可能とし、建設業界での職人不足が懸念される中でも自前の施工力による高い品質の確保と長期的なコストダウン促進を目指しています。

Ⅱ.「ヘーベルビルズシステム」の概要

1)中高層用に進化させたシステムラーメン構造

「ヘーベルビルズシステム」を構成する躯体は、かつてフレックスで鉄骨3階建て住宅の工業化を実現したシステムラーメン構造の技術を進化させた「中高層用のシステムラーメン構造」です。住宅用途はもちろん多様なニーズに対応できるよう、各階の階高を2.8~3.5mの範囲で設定可能とすることで、複雑な配管を収められる最大700mmの天井裏懐やスラブ上配管スペースを確保できるなど、従来の躯体システムでは1階のみに限定していた店舗・事務所の設置を上層階でも可能とします。

【システムラーメン構造を特徴づける3つの接合システム】

① 柱と梁の接合

梁を接合するための受け部材を突出させない平面形状の接合部を持つ柱とすることで、効率的な製造・保管・運搬を実現。少ないボルトで高強度を実現し、施工の容易化も実現。

②通し柱と同じ性能を再現する柱継ぎ接合「コラムカプラ」

柱と柱を継ぎ足す際に溶接せずにボルトだけで接合し、施工と品質の管理が容易に。階ごとに柱を容易に継ぎ足すことができるため、大型車両で搬入できない建設地への運搬や狭小地での施工も可能。

③ 基礎工事と躯体工事の分離を可能にする柱脚接合「ベースパック」

在来工法では基礎と柱の接合は柱脚部を基礎内に埋め込んで固定するのに対し、基礎工事完了後にボルトで固定できるシステム。そのため、基礎工事と躯体工事を分離することができ、施工精度の向上と同時に工期の短縮も実現。

2)工業化により施工合理化した基礎工事

配筋工・型枠工など多種類の専門工が携わる一般工法の基礎工事に対して、「ヘーベルビルズシステム」では工場先組み鉄筋、機械式継手、鋼製型枠などにより基礎工事も工業化することで施工を合理化し、現場での施工精度を高め品質を安定させました。

3)地震に強い独自のロッキング工法により取り付けるヘーベル外壁

外壁には耐火性に優れたヘーベル版を用い、当社の従来システムと同様に、地震時の脱落や損傷を防ぐ独自のロッキング工法により鉄骨躯体に取り付けます。

4)振動抑制装置・制震装置の採用

中高層建築において必須となる建物の揺れへの対策として、交通振動などを低減する振動抑制装置や、地震時の建物の揺れを小さくする制震装置を用意しました。

5)自社による設計・施工

従来システムの基幹技術や生産・施工方法を継承し、基礎工事まで含めて工業化することで、施工の大部分を自社グループ(旭化成住宅建設株式会社)で行うことを可能としました。そのため、建設業界での職人不足が懸念される中でも、各種の専門工の熟練技術に頼らず、多能工を中心とする自前の施工力で高い品質の確保ができ、更なる施工合理化とコストダウンの促進も図ることができます。

Ⅲ.その他

  • ■販売エリア:東京23区とその周辺エリア
  • ■モデルルーム:錦糸町住宅公園(東京都墨田区)2016年8月着工済、2017年3月完成予定
  • ■試作棟:住宅総合技術研究所(静岡県富士市)2016年8月竣工済

試作棟

<本件に関するお問い合わせ先>

〒160-8345 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル
旭化成ホームズ株式会社 広報室
(電話)03-3344-7115 (FAX)03-3344-7050 (メール)j-koho@om.asahi-kasei.co.jp