介護医療院とはどんなもの?入所条件や費用、サービス内容などを解説

介護サービスの利用を検討している方の中には、介護医療院という言葉を聞き、どのような施設なのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
施設ごとに受けられるサービスが違うため、各施設の特徴をしっかり理解しておくことが大切です。
この記事では、介護医療院とは何なのか、体制、介護医療院のメリット・デメリットなどを解説します。介護医療院について詳しく知りたい方は是非参考にしてください。
介護医療院とは
介護医療院とは、要介護者に「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供する施設のことです。
参照;厚生労働省「介護医療院とは」
これまでは介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の3施設でしたが、平成30年(2018年)の4月から介護医療院が追加されました。
日常的な医学管理に看取りやターミナルケアなどの医療機能に加えて、生活施設としての機能を備えているのが特徴です。
介護医療院の入所条件、費用、サービス内容などを詳しく見ていきましょう。
入所条件
介護医療院の入所条件は以下の通りです。
- ・要介護度:要介護1~5の方
- ・その他:医療ケアが必要な方
基本的には65歳以上が対象ですが、40歳以上64歳以下の方でも、介護保険の特定疾病に該当し、要介護認定を受けている場合は、介護医療院に入所することが可能です。
施設によっては独自の入所条件を設けている場合があるため、事前に各施設の入所条件を確認しておきましょう。
費用
介護医療院は公的な介護施設であるため、入所時の費用は生じません。しかし、サービスを利用するにあたって以下のような費用が発生します。
- ・Ⅰ型:1日あたり800~1,300円程度
- ・Ⅱ型:1日あたり730~1,200円程度
Ⅰ型は療養機能を強化した強化型Aと強化型Bの2つです。喀痰吸引やインスリン注射、ターミナルケア、リハビリが必要な高齢者が多いため、医師や看護師、介護職員の人員配置基準が高いのが特徴です。Ⅱ型はⅠ型よりも容態が安定している高齢者が対象であるため、費用がⅠ型よりも安く設定されています。
サービス内容
介護医療院は要介護高齢者の長期療養・生活のための施設です。要介護者であり、主として長期にわたって療養が必要な方に対し、施設サービス計画に基づいて療養上の管理・看護・医学的管理のもとで介護・機能訓練、その他必要な医療、日常生活上の世話を行います。
介護療養病床(療養機能強化型)相当のサービスに加え、老人保健施設相当以上のサービスの2つのサービスを提供しています。また、利用者の看取り・ターミナルを支えているのも介護医療院の特徴です。
参照:厚生労働省「介護医療医院とは?」
介護医療院の体制
介護医療院についての理解を深めるためには、介護医療院がどのような体制の施設なのか把握しておくことも大切です。
介護医療院の施設設備、職員体制を詳しく解説していきます。
施設設備
介護医療院には以下のような設備があります。
- ・診察室
- ・療養室
- ・機能訓練室
- ・処置室
- ・浴室
- ・レクリエーションルーム
- ・談話室
- ・食堂
- ・洗面所
- ・便所
療養室は定員を4人以下とする、入所者1人あたりの床面積は8㎡以上、ナースコールを設けるといった規定があります。
また、診療室には医師が診療を行う施設、臨床検査施設、調剤を行う施設などを有している必要があるといったように各設備には細かな規定が設けられています。
医療ケアを必要としている要介護者が安心して生活を送れるように各施設に細かな規定が設けられているのが特徴です。
職員体制
介護医療院には以下のような職員が在籍しています。
- ・医師
- ・看護師
- ・介護職員
- ・リハビリ専門職
- ・薬剤師
- ・栄養士
- ・ケアマネジャー(介護支援専門員)
介護医療院の医師は入所者の診察、薬の処方、健康管理、検査などの指示を行っています。Ⅰ型では48人の入所者に対して1名、Ⅱ型では100人に対して1名が基準です。
看護師は喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケア、血圧・体温測定などの日常的な健康管理、食事量の確認などを行っています。Ⅰ型・Ⅱ型ともに入所者6人に対して1名が基準です。
上記のように人員配置基準についても細かな規定がされているのが特徴です。
介護医療院のメリット・デメリット
介護医療院が自身に合った施設なのかどうかを理解するためには、メリット・デメリットを把握することが大切です。
介護医療院のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット
介護医療院は、一般的な介護施設とは異なり、サポート体制が充実しているのが特徴です。例えば、医師が在籍している、医療設備が充実していることによって、専門的な医療ケアを受けられます。
喀痰吸引や経管栄養などが必要な高齢者は、一般的な介護施設では対応できません。しかし、医療ケアが必要な重度な方でも入所できる点がメリットです。
また、看取りやターミナルケアに対応している点も強みです。一般的な介護施設は看取りやターミナルケアに対応しておらず、症状が重症化した際は施設を移転することになります。しかし、介護医療院では看取りやターミナルケアに対応しており、容態が悪化した場合でも施設内または併設する病院などで適切なサポートを受けられます。
理学療法士や作業療法士といったリハビリの専門員が在籍しており、リハビリを受ければ生活機能の維持や向上が図れるという点もメリットと言えるでしょう。
デメリット
介護医療院は公的な機関であるため、入所時の費用は生じません。しかし、介護サービスを利用する際の利用者負担金、食費、居住費が生じ、それらの負担は一般的な介護施設よりも大きくなる可能性があるので注意してください。特に入所期間が長期化した場合は、費用を補えない可能性がでてくるため、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。
施設への入所にあたり、個々のプライバシーが確保された環境を希望しているという方も少なくありません。しかし、完全な個室ではなく、パーティションや家具などで仕切られた居室の可能性があります。
プライバシーが完全に確保されていない、他の入所者の生活音が気になるといったように、他の入所者が気になる方にとっては居心地が悪く感じられるかもしれません。入所の前にどのような環境の施設なのかをよく確認しておきましょう。
まとめ
介護医療院は、一般的な介護サービスだけでなく、医療ケアが充実しているのが特徴です。そのため、一般的な介護施設では対応できない喀痰吸引や経管栄養などを必要とする方も問題なく入所できます。
また、看取りやターミナルケアに対応しており、状態が悪化しても施設内または併設の病院でサポートを受けられるため、施設を移転せずに済む点も魅力です。しかし、必ずしも介護医療院が自身に合った最適な施設とは限りません。
介護サービスを利用する場合は、それぞれの施設の特徴を理解し、自身に合ったサービスを受けられるのがどの施設なのかをよく考えてから入所しましょう。
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