介護保険料はいつから徴収される?支払い時期や支払い方法などを解説

一定の年齢に達すると介護保険料を支払う必要があります。しかし、いつから介護保険料が徴収されるのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
正しく納めないとペナルティの対象となる可能性があるため、支払い時期や支払い方法を把握しておくことが大切です。
この記事では、介護保険料はいつから徴収されるか、支払い時期や支払い方法などについて解説します。介護保険料の支払いについて詳しく知りたい方は、是非参考にしてください。
介護保険料はいつから徴収される?
介護保険料は、介護保険制度に定められている条件に該当している方のみ納付するものです。そのため、条件に該当していない方には支払い義務がありません。
では、どのような方が支払い対象で、いつから徴収されるのでしょうか。介護保険制度とは何か、いつから徴収されるのかについて詳しく見ていきましょう。
介護保険制度とは
介護保険制度とは、高齢化が進行する日本において、介護を必要とする高齢者を社会全体で支える仕組みです。
税金や高齢者の介護保険料のほか、40歳~64歳までの健康保険の加入者(介護保険第2号被保険者)の介護保険料(労使折半)などで支えられています。
40歳~64歳までの健康保険の加入者は健康保険料とともに介護保険料を納めます。
40歳の誕生日前日を含む月から徴収
健康保険料の徴収の開始日は「満40歳に達したとき」です。満40歳に達するのは40歳の誕生日の前日です。
例えば、5月2日生まれの方が40歳を迎える場合は、前日の5月1日に介護保険の第2号被保険者の資格を取得します。誕生日の前日が属する月は5月となるため、5月分から健康保険料とともに介護保険料が徴収されます。
一方、5月1日生まれの方が40歳を迎える場合は、前日は4月30日です。誕生日の前月が属する月は4月なので4月分からの徴収となり、同じ月の生まれであっても扱いが異なるので注意が必要です。
参照:全国健康保険協会「介護保険制度と介護保険料について」
翌月分の給料から手取りが減る
介護保険料の徴収が始まるのは40歳の誕生日の前日を含む月からですが、実際に給料から手取りが減るのは40歳の誕生日前日を含む月の翌月の給料からです。
その理由は、支払い義務は40歳の誕生日の前日を含む月から発生した場合でも、事業主が被保険者負担分の保険料を給料から引けるのは、前月分の保険料に限られているためです。
そのため、5月2日生まれだと5月に徴収が開始されるものの6月分、5月1日生まれだと4月に徴収が開始されるものの5月分の給料から介護保険料が徴収されます。
65歳以上は年金から天引きされる
40~64歳までは給料から介護保険料が引かれますが、65歳以上は年金からの天引きです。会社を退職したからといって介護保険料の負担がなくなるわけではありません。
年金から天引きされるタイミングは給与所得者と同様で、誕生日の前日を含む月からです。そのため、65歳を迎える誕生日の前日を含む月の年金から介護保険料が天引きされます。
しかし、年金から自動的に天引きされるようになるには、半年~1年程度の期間を要します。天引きが開始されるまでは、市区町村役場から送付されてくる納付書や口座振替にて介護保険料を納付しなくてはなりません。
介護保険料はいくら徴収される?
徴収される介護保険料は一律ではありません。40~64歳の方は加入する医療保険の種類、65歳以上の方は本人の所得や世帯の課税状況に応じて変化します。
それぞれの介護保険料がどのくらいなのかを詳しく解説していきます。
会社員で健康保険加入
会社の健康保険を協会けんぽが運営している場合、介護保険料の自己負担分は次のように給料によって変化します。
4~6月の3か月の給与の平均額 (標準報酬月額) |
介護保険料として負担する金額(月額) |
30万円 | 2,730円 |
40万円 | 3,731円 |
50万円 | 4,550円 |
60万円 | 5,369円 |
参照:令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
健保組合の場合は、組合ごとに設定されている介護保険料率が異なるので注意が必要です。
自営業で国民健康保険加入
40~64歳で自営業を営んでいて、国民健康保険に加入しているケースでは、介護保険料の自己負担分は次のように給料によって変化します。
本人の年収(経費を除く) | 介護保険料として負担する金額(月額) |
400万円 | 8,192円 |
500万円 | 10,109円 |
600万円 | 12,026円 |
700万円 | 13,943円 |
健康保険料よりも介護保険料の負担が大きいのは、会社との折半がないためです。市区町村で計算方法や料率が異なるため、居住地の自治体に確認しましょう。
65歳以上の年金受給者
厚生労働省によると、令和3~5年度の65歳以上の介護保険料の全国平均は6,014円です。しかし、この金額はあくまでも平均値で、市区町村によって大きく異なります。
その理由は、本人の所得や世帯の課税状況によって決まり、自治体ごとに算出される金額が異なるためです。
高所得の方ほど天引きされる金額が大きくなるということを覚えておきましょう。
介護保険の支払い方法
介護保険の支払い方法は、状況によって異なります。自身で納付しなければならない場合、納付し忘れが原因でペナルティの対象となる可能性があるので注意が必要です。
介護保険の支払い方法について詳しく見ていきましょう。
支払い方法は全部で3パターン
介護保険の支払い方法は大きく以下の3つに分類されます。
- ・会社の健康保険加入者:健康保険料とともに給料から天引き
- ・自営業の国民健康保険加入者:口座振替または納付書による納付
- ・65歳以上の方:年金から自動天引き
65歳以上の年金受給者であっても、1年間の年金受給額が18万円以下の方は納付書または口座振替などでの支払いになるという点に注意してください。
支払わなくていいケースもある
介護保険は、40歳以上の方は必ず加入しなければならないものです。そのため、無職でも加入しなければならず、介護保険料を支払わなくてはなりません。
しかし、以下の条件に該当する方は、介護保険料を支払わずに済みます。
- ・専業主婦といった被扶養者
- ・生活保護受給者
- ・市区町村から減免措置を受けた方
被扶養者は介護保険料を支払う必要がなく、生活保護受給者は支払いが免除されます。また、著しい収入減があった、災害で大きな被害を受けたなどの理由に該当する方は、市区町村に申し出ることによって支払いが減免される可能性があります。
まとめ
介護保険は40歳以上の方の加入が義務化されているものです。40歳以上の方は原則、介護保険料を支払わなくてはなりません。
40歳の誕生日の前日が属する月から徴収が開始されて、給与所得者(健康保険加入者)は給料から天引き、自営業者(国民健康保険加入者)は自身で納付します。65歳を迎えると今度は年金からの天引きになります。
40歳を迎えると、介護保険料が引かれることで手取りが減少するので注意してください。手取りが少なくなっても慌てないように余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
介護保険に加入することによって、万が一介護が必要になった際は、1~3割の自己負担で介護サービスを利用できます。介護サービスを受ける必要はなくても、加齢を理由に老後の生活に不安を抱いている方はシニア向け賃貸住宅も選択肢の1つです。
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