高齢者は日常でどんなことに困っている?必要なサポートを解説

加齢による身体能力の衰えは、日常生活にも影響を及ぼします。たとえ些細なことであっても、毎日続くと日常生活を送るうえで大きな負担になるため、早期に対処を考えることが大切です。
今回は、日常生活で高齢者が困ることや必要なサポートについてご紹介します。
高齢者が日常で困ること、困るときとは?
高齢者は日常生活で、どのような困りごとを抱えているのでしょうか。
高齢者が日常で困ること
<力仕事>
1人で重たいものを持ち上げられないといった、筋力や瞬発力が必要な動きに困難を感じる方が多いようです。力仕事ができず「困った」と感じるのは男性よりも女性に多く、特に健康状態が安定しない方ほど力仕事への苦手意識が強くなります。
<移動や屈伸運動>
外出は気分転換になるとはいえ、体力が低下してくると長距離の移動や階段の上り下りが苦痛に感じられます。特に、腰や膝に痛みがある方や数百m歩くだけで疲れるという方は、外出する頻度が徐々に減っていってしまうでしょう。
<家事>
食事の支度や掃除、洗濯、買いものなどを、思うようにこなせなくなってきたときに、家事を困難に感じる方も少なくありません。
<安眠>
高齢になるにつれ、眠りが浅くなります。早く寝ようと思ってもなかなか寝付けない、夜中に何度もトイレに起きるなど、質のよい睡眠がとれないと悩む方も多く、ストレスや不安といった心の揺らぎにつながります。
意外と困ると感じていない人も多い
日常生活に困難を感じる方がいる一方、あまり不便を感じていない方も多いようです。内閣府が伝えた「平成29年高齢者の健康に関する調査」によると、男女ともに半数以上の方が「特に困ると感じることはない」と回答しています。
高齢者に困ることが増えている理由
問題なく生活できている間は気付きませんが、身体機能の低下は徐々に進み、小さなアクシデントが頻発したのち、大きなアクシデントに発展します。一度心身が弱ると活動意欲が減退し、好転のきっかけをつかみにくくなるので、できることが多い間に策を講じておくことがポイントです。
意外と介護を家族にしてほしいと考えている人は少ない?
高齢の両親に介護が必要になったとき、自分が生活のサポートをしようと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、高齢者の多くは介護経験のない子どもよりも知識と経験豊富な専門家に身の回りの世話を頼みたいと考えている方も珍しくありません。自身の子どもには、「話し相手になってほしい」「通院や施設への送り迎えをしてほしい」「代わりに買いものをしてほしい」といった対応を望んでいる場合があります。
高齢者の生活に必要なサポートとは
高齢者が安心して生活を送るためには、周囲と連携したサポートや制度の利用が欠かせません。以下では、高齢者の日常生活をサポートするシステムを一部ご紹介いたします。
安否確認
必要なサポートは、個々の自立度合いによって異なります。
例えば、活動的に過ごしている一人暮らしの方やご夫婦の場合だと、見守りサービスによる安否確認でも十分かもしれません。見守りの内容は、スタッフが定期的に巡回して様子を確認するものや、自宅にセンサーを設置して利用状況を把握するものなど、サービス提供者によって特徴が異なります。
生活へのサポート
介護を必要としない場合は、日常生活の負担を軽くするサポートがおすすめです。
家事代行は体に負担のかかる家事を任せられるので、無理なく衛生的な環境が保てます。買いもの代行は、購入した商品を自宅に届けてもらえるので、負担が減り、楽になります。配食サービスは、調理や後片付けの手間を省いて栄養バランスのとれたおいしい食事を提供してもらえるのが特徴です。
また、支援や介護の認定を受けている方は、介護保険を利用してサポートを受けましょう。訪問リハビリや訪問介護は、専門スタッフによるサポートやアドバイスを定期的に受けながら、身体機能の維持・向上を目指せます。通所介護なら、同世代との交流を楽しみつつ、食事や入浴介助が受けられます。
要介護認定で利用できるサポートとは
要介護認定を受けると、1〜5までの段階に応じた介護サービスが利用できます。全ての段階で利用できるのは、身体介護や通院等乗降介護、生活援助の3種類です。
身体介護は、主に食事や入浴、身支度のほか排泄、移動などの介助が受けられ、認定の高さによっては床ずれ防止の体勢転換介助も受けられます。通院等乗降介護は、病院や公共施設に出向く際の車移動や乗降の介助サービスです。生活援助は日常生活を全般的にサポートしてもらえるサービスで、家事はもちろん薬の受け取りの依頼もできます。
家電を見直す
生活で使用する家電の見直しも大切です。
掃除や布団の上げ下ろしといった動作は体への負担が大きく、毎日繰り返すことなので億劫に感じます。衛生的な環境づくりは健康維持にもつながるので、掃除ロボットや布団乾燥機の購入など、家電の見直しで改善できる点がある場合は検討してみましょう。
自治体による支援サービスを利用する
各自治体は、身の回りの小さな困りごとへの対応から安心して自立的に生活するための支援まで幅広く取り組んでいます。民間企業と連携したサービスもあり、万一のときは家族に連絡が届くなど、安心できる体制が整っています。自治体によって、システムや利用料金、条件などが異なるので、まずは問い合わせてみましょう。
高齢者のQOLを考えよう
QOLとは、質を重視した生き方をQOL(クオリティ・オブ・ライフ)と言い、WHOでは「身を置く環境に対し、自分の価値観や評価をどう位置づけているか」を評価基準としています。 一般的には、「豊かさとは物質的な意味だけでなく、自己実現など精神的な充足感を得ている状態」と捉えられています。
高齢者のQOLとは?
高齢者の立場からQOLの概念を見ると、日常生活における快適性や利便性の充実に加えて、自分らしく生きることが、目標にすべき状態であると言えるでしょう。この目標は、一定の体力や認知機能を備え、安定した経済状態を保持し、社会と積極的なかかわりをもっていること、安心して暮らせる環境に身を置いていることなどが挙げられます。
高齢者のQOLには住居を見直すことも大切
高齢になると1人で達成できる事柄が減り、それをきっかけに活動意欲が低下します。家族が同居を提案しても、介護経験や知識が足りない状態では、高齢者のQOL向上に結びつくとは限りません。先述のように、身の回りのサポートは専門スタッフに依頼したいと希望する方がほとんどです。介護や医療といった、必要なサポートを満足に受けられる住宅への移住を検討することが、高齢者のQOLを高める手段と言えるでしょう。
まとめ
高齢者の困りごとを解決するためには、必要なサポートを行い、QOLについて考えることが大切だと言えます。高齢者のQOLを高めるためには、必要なサポートが受けられる住宅で生活することがおすすめです。
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