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高齢者のヒートショックを防ぐには?原因・対策・住環境の工夫を解説

高齢者のヒートショックを防ぐには?原因・対策・住環境の工夫を解説

冬場に多く発生する「ヒートショック」は、高齢者にとって深刻な健康リスクを伴います。暖房の効いた部屋から寒い浴室やトイレへ移動すると、急激な温度変化で血圧が乱高下することで、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性があります。特に高齢者は血圧や体温の調節機能が低下しているため、リスクが高くなるので注意が必要です。

本記事では、ヒートショックの原因や発生しやすい環境、具体的な対策を解説します。

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ヒートショックとは?高齢者に多い原因とリスク

冬場に多発するヒートショックは、高齢者にとって特に危険な健康リスクです。急激な温度変化により血圧が乱高下することで、失神や心筋梗塞、脳卒中を引き起こす可能性があります。特に入浴時に発生しやすく、対策を講じないと重大な事故につながることも。

本章では、ヒートショックの仕組み、高齢者が注意すべき理由、具体的な健康被害について解説します。

ヒートショックの定義と仕組み

ヒートショックは、急激な温度変化により血圧が大きく変動し、体に負担がかかる現象です。特に入浴時に起こることが多く、寒い浴室に入った際、血管が急に収縮して血圧が上昇し、温かいお風呂に入ると血管が拡張して血圧が急低下します。この急な血圧変動が、めまいや失神を引き起こすリスクがあるのです。

この血圧の乱高下は、心臓や脳に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中を誘発する原因にもなります。特に高齢者は血圧や体温の調節機能が衰えており、若年層よりヒートショックを起こしやすいので注意が必要です

高齢者がヒートショックを起こしやすい理由

ヒートショックは誰にでも起こる可能性がありますが、高齢者は特にリスクが高いです。主な理由は以下の3つです。

・血圧調節機能の低下
加齢とともに自律神経の働きが衰え、血管の収縮や拡張などの調節が遅れます。そのため、血圧の変動が激しくなり、めまいや失神を引き起こしやすくなります。

・体温調節機能の衰え
寒さや暑さを感じにくくなり気温の変化に適切に対応できず、ヒートショックのリスクが高まります。

・動脈硬化や持病の影響
高齢者は動脈硬化や高血圧といった持病を抱えている方が多く、血圧の急変が重大な健康リスクにつながります。特に心臓や血管などに疾患がある場合、ヒートショックによるダメージは大きくなります

ヒートショックが引き起こす具体的な健康被害

ヒートショックで失神や意識障害を引き起こして、転倒や入浴中の事故につながることも少なくありません。特に次のような健康被害が発生するリスクがあります。

・失神・めまい
血圧の急激な低下により意識を失うことがあります。転倒や入浴中の事故などにつながる可能性があります。

・心筋梗塞・狭心症
血圧の乱高下は心臓に大きな負担がかかります。心筋梗塞や狭心症を引き起こすリスクを高めます。

・脳卒中(脳出血・脳梗塞)
急激な血圧変動により脳の血管が破れるまたは詰まることによって、脳卒中を引き起こす可能性があります。特に高血圧の方は注意が必要です

ヒートショックが起きやすい環境とは?

ヒートショックは、特に室内の温度差が大きい環境で発生しやすく、高齢者にとって大きなリスクです。冬場の入浴時やトイレ、寒暖差の激しい住環境では特に注意が必要です

また、一人暮らしの高齢者の場合は発見が遅れるリスクが高いことから、より慎重な対策が求められます。

冬場に多い入浴中の事故

冬の入浴時はヒートショックが発生しやすい場面の一つです。暖房の効いた部屋から寒い脱衣所に移動すると血圧が急上昇し、熱いお風呂につかることで急低下します。この血圧の変動がめまいや失神を引き起こす原因になります。

また、入浴中の熱中症にも注意が必要です。湯温が高すぎたり長湯をしたりすると、体温が上昇しすぎて脱水や意識障害を起こすことも。特に高齢者は体温調節機能が衰えてしまっているため、適切な湯温や入浴時間を守ることが重要です。

室内の温度差が引き金になるケース

家の中での温度差が10℃以上あると、ヒートショックのリスクが高まります。特に以下の場面では血圧が急変しやすいため注意が必要です。

  • ・暖房の効いたリビングから寒い廊下やトイレに移動するとき
  • ・朝、暖かい布団から冷えた部屋に移動するとき
  • ・浴室や脱衣所の温度が低いとき

特にトイレでは、寒さに加え、排便時の「いきみ」による血圧の急変が加わることにより、ヒートショックが発生しやすくなります。

注意が必要な一人暮らしの高齢者

一人暮らしの高齢者は、ヒートショックを起こした際に助けを呼ぶことが困難なので、特に注意が必要です

例えば、入浴中に意識を失った場合は、誰にも気づかれず発見が遅れることがあります。また、トイレや浴室で倒れると、ドアが開かなくなり救助が難しくなることも。

さらに、高齢者は寒さを感じにくいため、暖房を控えて室温が低くなりがちです。寒さを我慢することで血圧が上がり、ヒートショックのリスクが高まることがあります。

定期的に家族や知人と連絡を取ったり、見守りサービスを活用したりすれば、万が一の事態が起きても発見が遅れずに済むでしょう。

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ヒートショックを防ぐための具体的な対策

ヒートショックを防ぐための具体的な対策

ヒートショックを防ぐためには、住環境の整備・入浴時の注意・生活習慣の改善が重要です。特に高齢者は血圧の変動が起こりやすいため、日常的な対策を意識することが不可欠です。

ここでは、ヒートショックを予防するための具体的な方法を解説します。

ヒートショックを予防するための住環境を整えるポイント

室内との温度差を減らすことがヒートショックの予防には効果的です。特に浴室・脱衣所・トイレなどの寒さ対策が重要になります。具体的な対策は以下のとおりです。

  • ・浴室・脱衣所・トイレに暖房器具を設置する
  • ・入浴前に浴室を温める
  • ・家全体の温度差を減らすため、暖房の設定を工夫する

また、夜間の寒さ対策として、寝室の冷えを防ぐ工夫も不可欠です。電気毛布やエアコンを適度に活用し、寝起きの急激な温度変化を防ぎましょう。

入浴時の注意点

入浴時にはヒートショックのリスクが高まるため、温度管理と適切な入浴習慣が重要です。入浴時のポイントは以下のとおりです。

  • ・血圧の急上昇を避けるためにお湯の温度は40℃以下に設定する
  • ・脱水を防止するために入浴前後にコップ1杯の水を飲む
  • ・湯船につかる時間は10~15分程度にする

長時間の入浴や熱いお湯などは、熱中症を引き起こすリスクがあります。特に高齢者は汗をかきにくく、体温が上がりすぎても気づきにくいので注意が必要です。浴室内の換気を適切に行って、のぼせや脱水を防ぐために水分補給を徹底しましょう。

生活習慣の改善がリスクを軽減

ヒートショックのリスクを少しでも軽減するには、日頃から血圧を安定させる生活習慣を心がけることが大切です。主な生活習慣の改善ポイントは以下のとおりです。

  • ・塩分を控えめにし、血圧を安定させる
  • ・適度な運動を取り入れる
  • ・こまめな水分補給を行う
  • ・十分な睡眠を確保し、規則正しい生活を送る

特に高血圧の人は、ヒートショックのリスクが高いため、食生活の見直しが重要です。日頃からバランスの取れた食事を心がけることで、血圧の急変を防ぐことができるでしょう。

家族ができるサポートとは?

高齢の親が安全に暮らすためには、住環境の整備と日常的な見守りが重要です。特に冬場はヒートショックのリスクが高まりますが、家族が積極的に対策を講じることにより事故を防ぐことができます。

ここでは、親の住環境を整える工夫、日々の見守りのポイントなどを解説します。

親の住環境を見直すための工夫

高齢者が安心して暮らせるようにするには、寒暖差を減らし、安全な住環境を整えることが大切です。住環境の見直しポイントは以下のとおりです。

  • ・浴室・脱衣所・トイレに暖房器具を設置する
  • ・家全体の温度差を減らす
  • ・浴室や脱衣所に滑り止めマットを敷く

また、親自身が「寒さをあまり感じない」と思っているケースも多いため、家族がこまめにチェックし、必要な設備を整えてあげることが重要です。

日常的な見守りが安心につながる

ヒートショックのリスクを減らすためには、日常的な見守りが欠かせません。一人暮らしの高齢者は体調の変化に気づきにくく、事故が起きた際に発見が遅れることもあります。家族ができる主な見守りの工夫は以下のとおりです。

  • ・毎日決まった時間に電話やLINEで連絡を取る
  • ・週に1回は訪問し、住環境や体調をチェックする
  • ・緊急時にすぐ対応できるよう、見守りサービスを活用する

高齢者は「大丈夫」と言いがちですが、実際には寒さや体調の変化に気づいていないことも少なくありません。家族が積極的に気を配り、適切な対策を講じることが大切です。

まとめ

ヒートショックは冬場の急激な温度変化により血圧が乱高下することで、失神や心筋梗塞、脳卒中を引き起こす危険な現象です。特に高齢者はリスクが高く、入浴時や寒暖差の大きい環境では注意が必要です。

ヒートショックの予防のためには、住環境の改善、入浴時の注意、生活習慣の見直しが欠かせません。また、一人暮らしの高齢者は事故の発見が遅れるため、家族の見守りやサポートも重要です

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